アブストラクト(46巻3号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 腫瘤陰影を呈した肺梗塞の1切除例
Subtitle :
Authors : 隈元謙介, 増田幸蔵, 町田武久
Authors(kana) :
Organization : 東京厚生年金病院外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 3
Page : 303-306
Year/Month : 1998 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は67歳, 男性. 血痰, 咳嗽にて近医を受診し, 胸部X線写真上, 左下肺野に径5cm大の腫瘤陰影を認めた. 気管支ファイバー検査や経皮肺針生検を施行したが確定診断には至らず13年前に陰茎癌(扁平上皮癌)の既往があり転移の可能性と, 原発性肺癌も完全には否定できなかったため, 開胸肺生検を施行した. 術後病理組織診断にて出血性肺梗塞と診断された. 術前診断が困難であった肺梗塞の一切除例を報告する. 肺梗塞は欧米諸国では高頻度にみられる疾患であるが, 本邦では比較的少ないといわれてきた. しかし, 近年本邦においても増加傾向をしめしている1). ひとたび肺梗塞が発生しその範囲が広ければ呼吸困難や心不全等の症状で致命的となり得るが, 梗塞が小範囲のときは腫瘤陰影を呈し確定診断を得るのに困難となることがある. また, 肺梗塞において喀痰より異型細胞が認められるという報告2)もあり肺癌との鑑別を困難にしている. 以下, われわれが経験した症例について若干の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 腫瘤陰影, 肺梗塞
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