アブストラクト(46巻5号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 食道穿孔による急性縦隔炎の1例
Subtitle :
Authors : 大野暢宏, 佐藤澄, 横見瀬裕保, 田村康一
Authors(kana) :
Organization : 日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 5
Page : 478-481
Year/Month : 1998 / 5
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 患者は55歳, 女性. 魚を食した後, 咽頭違和感を覚え近医受診. 食道直達鏡にて, 魚骨が確認され当院耳鼻科紹介. しかし食道直達鏡にて所見がなく, その日は帰宅した. 一週間後に呼吸困難が出現し, 近医での胸部X線写真にて縦隔の拡大を指摘され当院救急外来に紹介された. 食道穿孔による急性縦隔炎と診断し, 開胸によるドレナージを施行. 食道穿孔部には, 縫合処置を施行しなかった. 術後約2カ月を経過しても痩孔が閉鎖しないため, 穿孔部に胸鎖乳突筋による筋肉充填及び頸部からの縦隔ドレナージを施行した. 第2回の手術後2週間目の食道造影にてなお痩孔を認めたため, アルプロスタジル及び血液凝固第XIII因子製剤を使用した. 使用後20日目には痩孔が閉鎖した. 食道穿孔は単なる保存的方法では改善しないこともあり, 早期の外科的方法に加え血液凝固第XIII因子製剤等の使用が治療期間を短縮させうると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道穿孔, 急性縦隔炎, 血液凝固第XIII因子製剤
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