アブストラクト(46巻5号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 縦隔鏡による心膜憩室の診断とドレナージ
Subtitle :
Authors : 大野喜代志, 山崎芳郎, 畑中信良, 山本重孝, 桑田圭司
Authors(kana) :
Organization : 大阪厚生年金病院外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 5
Page : 496-498
Year/Month : 1998 / 5
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸部CTで, 1.5×1.2cm径の気管前リンパ節腫大が疑われた, 無症状の38歳男性に, 縦隔鏡下生検を施行した. 腫瘤は, 心拍動に同期して膨張と収縮を繰り返す嚢腫で, 嚢腫内への空気注入後の術中X線写真で, 心嚢内にガス像を認めたことから心膜憩室と診断した. 憩室壁を部分切除し, 心嚢液をドレナージした. 術後10カ月現在, 胸部CTで再発を認めていない. 縦隔鏡は, リンパ節腫大を疑う, 縦隔の小病変の鑑別診断や, 心膜憩室の診断と治療を低侵襲で実施できる点で有用である. 心膜憩室は, 心横隔膜角や上縦隔に発生する頻度が高い. 上縦隔に存在する心膜憩室は胸部CTで診断されることもあるが, 小さな憩室では確定診断が難しく, 開胸術でつけられ, 引き続き治療されることが多い. 最近われわれは, 上縦隔に存在した, 1.5×1.2cm径の心膜憩室症例を縦隔鏡で診断し, ドレナージを施行したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心膜憩室, 縦隔鏡
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