アブストラクト(46巻8号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 肺動静脈痩を伴った僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症の1治験例
Subtitle :
Authors : 井上剛裕, 若木伸夫, 奥秀喬
Authors(kana) :
Organization : 近畿大学医学部心臓外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 8
Page : 757-761
Year/Month : 1998 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 患者は74歳, 男性.主訴は労作時呼吸困難. 55歳の時に僧帽弁狭窄症に対して直視下交連切開術を受けている. 今回, 労作時呼吸困難とチアノーゼのため精査したところ, 肺高血圧を伴う僧帽弁狭窄兼閉鎖不全, 三尖弁閉鎖不全, 及び右肺中葉の肺動静脈痩と診断された. 肺高血圧の原因疾患の修復を行い, 左房負荷を軽減させれば同時に肺動静脈痩の切除を施行しても肺高血圧は進行することはないと考えられた. まず右肺動静脈痩核出術を行い, 体外循環下に僧帽弁置換及び三尖弁縫縮術を行った. 術後経過は順調で, 肺動脈圧の上昇もなく症状は著明に改善した. 肺動静脈痩と心疾患の合併は1959年Le Rouxら1)によって初めて報告されている. 以来, いまだにその報告例は少ない. 心疾患との合併例のうち肺高血圧を伴う症例では, その治療法については議論されるところである. 今回われわれは, 肺動静脈痩と僧帽弁狭窄兼閉鎖不全に対して同時手術を行い良好に経過したので, 若干の考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動静脈痩, 僧帽弁狭窄兼閉鎖不全, 一期的手術
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