アブストラクト(46巻8号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)
Title : | 拡大傾向がみられた限局性解離による下行大動脈瘤の1治験例 |
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Subtitle : | |
Authors : | 小山照幸, 西村晃一, 北中陽介, 舟木成樹, 稗方富蔵 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院心臓血管外科 |
Journal : | The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY |
Volume : | 46 |
Number : | 8 |
Page : | 762-766 |
Year/Month : | 1998 / 8 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 下行大動脈の極めて限局した解離で, 解離腔が瘤化し, 手術適応となった症例を経験した. 症例は53歳, 男性. 主訴は胸痛, 胸部不快感であった. CT検査で下行大動脈の中部に限局した大動脈解離(IIIa型)の所見が認められ, 一部血栓化していた. 降圧療法で経過観察していたが, 1年5カ月後, 再び胸痛があり来院した. CT検査で解離腔の拡大が認められた. MRA像では, 下行大動脈の中部に限局する嚢状動脈瘤が認められた. 以上より, 大動脈解離の慢性期瘤化と診断した. 偽腔の拡大, 瘤化を認めたため手術適応とした. 手術は常温FFバイパス補助循環下, 左第4肋間後側方開胸にて行った. 大動脈瘤は第5胸椎の高さから始まり全長70mm, 最大径45mmであった. 瘤を切開すると後壁の内膜にエントリーを認め, 解離腔内の末梢側は盲端で血栓を認めた. 瘤を切除し, 人工血管で置換した. このような症例の報告は, 検索し得た範囲では2例しかなく, まれであるため文献的考察を加えて報告した. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 大動脈解離, 限局性解離, 解離性大動脈瘤, 下行大動脈瘤 |