アブストラクト(46巻8号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)
Title : | 外傷性右室及び心膜破裂の1救命例 |
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Authors : | 西川隆之, 末広茂文, 柴田利彦, 熊野浩, 細野光治, 木下博明 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 大阪市立大学第2外科・心臓血管外科 |
Journal : | The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY |
Volume : | 46 |
Number : | 8 |
Page : | 781-784 |
Year/Month : | 1998 / 8 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は60歳, 男性. バス誘導中に電柱とバスの間に挟まれ受傷した. 救急隊到着時には脈拍を触知せず, 下顎呼吸状態で心肺蘇生を受けながら当院に搬送された. 搬入時には血圧50mmHgでショック状態であった. 胸部X線写真にて左血胸を, 心エコー検査にて心嚢液貯留を認め, 各々ドレナージを行ったが, 出血多量で血行動態が不安定なため直ちに手術を行った. 胸骨正中切開下に心膜を切開したところ, 血液が噴出すると共に血圧の上昇をみた. 右心室前面の左前下行枝近傍に破裂を認め, 破裂部を直接縫合した. 心膜は心尖部から後壁にかけて裂けており左胸腔と交通していた. 術後は著変なく経過し, 術後3週間で退院となった. Fuldaらの報告では胸部鈍性外傷による心損傷59例のうち, 心破裂と心膜破裂の合併例は5例にすぎず, 外傷性心破裂の救命率は15%以下と不良である. 本症例はまれな心破裂と心膜破裂の合併例に対する1救命例と考えられた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 胸部外傷, 心破裂, 右心室破裂, 心膜破裂 |