アブストラクト(46巻9号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 慢性I型解離に対するelephant trunkによる二期的手術-Aortic tailoringを用いた肋間動脈温存-
Subtitle :
Authors : 山本平*, 幕内晴朗, 成瀬好洋, 小林俊也, 後藤昌弘*, 野中健史**
Authors(kana) :
Organization : 虎の門病院循環器センター外科, *順天堂大学医学部胸部外科, **現 杏林大学医学部胸部外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 9
Page : 893-897
Year/Month : 1998 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は54歳, 男性. 発症後9年経過したDeBakeyI型慢性解離性大動脈瘤で, 上行大動脈は最大70 mm, 更に下行大動脈全長にわたる拡張(最大径55mm)も認めた. 手術は二期的に行う方針とし, 初回手術時には胸骨縦切開にてelephant trunk法を用い上行弓部大動脈人工血管置換術を施行した. 脳保護は脳分離灌流法を用いた. 初回手術の3カ月後に施行した第二期手術は, 第8肋間までの下行大動脈を人工血管で置換し, 第9肋間以下の下行大動脈をaortic tailoring法を用いて形成した. 横隔膜下面までの下行大動脈のintimal flapを切除し, 大動脈の径が21mmとなるように大動脈壁を縫い合わせることにより, 第9肋間動脈以下の肋間動脈を温存した. 術後神経学的合併症もなく, 腹部臓器の虚血症状もなく順調に経過した. 1年後の経過でも遠位下行から腹部大動脈の径の拡大は認められなかった. aortic tailoring法は比較的容易に肋間動脈の温存が可能であり, 慢性解離性大動脈瘤の対麻痺防止に有用と思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 慢性解離性大動脈瘤, elephant trunk法, aortic tailoring法
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