アブストラクト(46巻10号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : Elephant trunk変法による上行・弓部大動脈置換術の1例
Subtitle :
Authors : 力武一久, 湊直樹, 村山順一, 大西裕幸
Authors(kana) :
Organization : 福岡徳洲会病院胸部心臓血管外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 10
Page : 1065-1068
Year/Month : 1998 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は65歳, 女性. 背部痛を主訴に来院. 精査にて上行・弓部・胸部下行に及ぶ動脈瘤を認めた. この症例に対し二期的手術を予定し, 初回手術として, 超低体温・脳分離体外循環下にElephant trunk変法を用いて上行・弓部大動脈置換術を施行した. 術後は, 気管支喘息以外特に合併症なく経過した. 術後大動脈造影では, 内挿したelephant trunk graft周囲が血栓閉鎖しており遠位弓部・胸部下行大動脈瘤の大半が描出されなくなった. elephant trunk法の血栓形成は, 時に問題となるが, この症例 では, 二期手術は行わず, 厳重に経過観察している. 広範囲に及ぶ胸部大動脈瘤に対して, Borstら1)が提唱したElephant trunk法がよく用いられるようになってきた. われわれは, 上行・弓部・下行に及ぶ胸部大動脈瘤に対し, Elephant trunk変法を用いて上行・弓部大動脈置換術を施行し, 胸部下行大動脈瘤内に挿入したgraft周囲が血栓閉塞した症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸部大動脈瘤, Elephant trunk変法, 血栓閉塞
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