アブストラクト(46巻1号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 抜去不能な感染遺残ペースメーカーリード開胸摘出の経験
Subtitle :
Authors : 松本康, 明元克司, 牛島輝明, 川上健吾, 上山武史, 佐々木久雄
Authors(kana) :
Organization : 国立金沢病院心臓血管外科, 国立金沢病院臨床研究部
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 1
Page : 71-74
Year/Month : 1998 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 66歳, 男性. DDDペースメーカー移植後2年目に感染性心内膜炎を発症した. 血液培養で黄色ブドウ球菌が検出され, 抗生剤投与を開始した. 急性腎不全を併発し, 血液透析を施行した. 腎機能障害と炎症反応が持続するため当院を紹介された. 中心静脈栄養と抗生剤の慎重な投与により腎機能は改善し, 透析を離脱, 血液培養も陰性化し, 全身状態は改善した. しかし微熱が続き, 経過中39℃の発熱と共に再び血液培養陽性となったため, 経静脈的に全システムの摘出を試みた. 心室リードは単純牽引により抜去できたが, 心房リードは心房壁との癒着が強固であり, 牽引によってリードの絶縁被覆が断裂し, 抜去不能となった. 開胸による遺残リードの抜去を行った. 胸骨縦切開で入ると心房リード先端は右心耳より一部先端が露出していた. 心耳にpurse string sutureを置くことで人工心肺を使用せずに抜去しえた. 心筋電極によるDDDペースメーカーの再移植を一期的に施行した. 術後の血液培養はすべて陰性となった. 約4週間の経過観察で炎症反応と腎機能は正常となった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ペースメーカー, リード感染, 敗血症, 開胸術
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