アブストラクト(46巻2号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 胸腔鏡下手術が肺の再膨張に有用であった癌性胸膜炎の1例
Subtitle :
Authors : 高木正道, 秋葉直志, 川野勧, 山崎洋次
Authors(kana) :
Organization : 東京慈恵会医科大学外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 2
Page : 185-189
Year/Month : 1998 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は53歳, 女性. 1996年3月下旬ころから咳嗽と呼吸困難が出現した. 胸部X線検査で右胸水を認め, 胸部CT検査では右胸腔内に多房化した胸水貯留腔と右中下葉の高度虚脱像を認めた. 胸水中には腺癌細胞が認められた. 同年6月5日に胸腔鏡下手術を施行した. 右胸腔内には多数の索状及び膜状の線維性組織による嚢胞状構造と血性胸水を認めた. 嚢胞状構造を鈍的に破壊すると, 含気のある右上葉と臓側胸膜の肥厚及び線維性組織で包まれた虚脱した右中下葉が観察された. 胸腔鏡下血剥皮術, 胸膜生検, 胸腔ドレナージを施行した. 術後には虚脱した右中下葉の再膨張を認めた. 更に術前の自覚症状も消失し呼吸機能の改善も得られた. 癌性胸膜炎症例に対して胸腔内観察目的あるいは従来の方法では虚脱肺葉の再膨張が得られない場合には胸腔鏡面手術は有用である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 癌性胸膜炎, ドレナージ, 胸腔鏡下手術
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