アブストラクト(46巻2号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 緊急手術を余儀なくされた乳腺悪性葉状嚢胞肉腫心転移の1例
Subtitle :
Authors : 明神一宏, 村上達哉, 石井浩二, 国原孝
Authors(kana) :
Organization : 国立札幌病院心臓血管外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 2
Page : 202-206
Year/Month : 1998 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は47歳, 女性. 他院で, 乳腺悪性葉状嚢胞肉腫にて左乳房切除術を受けている. 8ヵ月後, 呼吸困難のため, 他院にて検査中に, 重症心不全によるショック状態となり, 担送された. 前医の心エコー, 心血管造影にて, 右室内を占居した腫瘍と診断され, 人工心肺下に緊急手術を行った. 腫瘍は右室内からでており, 三尖弁, 肺動脈弁をほとんど閉塞した型で, 右房, 肺動脈内へ伸びていた. 救命手術として可及的に, 肺動脈への血流路を確保するため, 腫瘍の部分摘出と, 三尖弁形成術を行った. 術後5日目, 大量カテコールアミンから離脱, 血行動態は安定したが, 術前からみられた脳虚血及び腎不全で, 術後15日目に死亡した. 剖検上, 腫瘍は乳腺と同様の組織で, 左肺にも小さな転移が認められた. 文献上2例目と思われる, 極めてまれな, 心腔内転移に対する手術例を報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 悪性葉状嚢胞肉腫, 心腔内転移, 人工心肺下緊急手術
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