アブストラクト(46巻2号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : ABIOMED(R)BVS5000(R)を臨床使用した3例
Subtitle :
Authors : 里学, 片山雄二, 樋口真哉, 小迫幸男, 大坪諭*, 伊藤翼*
Authors(kana) :
Organization : 和白病院心臓血管外科, *佐賀医科大学胸部外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 2
Page : 236-242
Year/Month : 1998 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 急性に高度の心筋障害を生じるような症例に対して補助循環は心要不可欠である. 当院ではこのような症例の救済のため1995年12月にABIOMED(R)BVS5000(R)を導入した. このシステムは体外式, 空気駆動式, 一時的補助人工心臓であり, 落差脱血, リザーバーとしての人工心房を持つDual chamber, ポリウレタン製の三葉弁を搭載するといった独自の機構を有する. 欧米では幅広く使用されその有効性は確立されてはいるものも, まだ本邦では公式認可されるには至っていない. そのため個人的使用といった形式で, これまで3例に臨床使用した. その内訳は体外循環離脱困難, 開心術後心不全(不整脈), 劇症型心筋炎であり, 前2者では左心補助として, 後者では両心補助として使用した. 後 2者で離脱に成功し, 劇症型心筋炎の1例では心機能は完全に回復し通常の社会生活を営んでいる. 従来の補助循環の限界を越えるような症例に対し, 適用の時期を逸することなく早期より使用すれば, 十分な循環補助が可能であり, 良好な心筋の回復が得られた. また操作は極めて簡便で, 装置に伴う問題は派生せず, 高い安全性を有していた. 今後本邦で普及していくことが有望視される装置である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 補助人工心臓, 体外循環離脱困難, 開心術後不整脈, 劇症型心筋炎
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