アブストラクト(46巻5号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 横隔膜弛緩症に施行した横隔膜縫縮術が誘因と考えられた横隔膜破裂の1例
Subtitle :
Authors : 室恒太郎, 柳原一広*, 水野浩*, 倉田昌彦
Authors(kana) :
Organization : 京都博愛会病院外科, *京都大学胸部疾患研究所呼吸器外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 5
Page : 486-490
Year/Month : 1998 / 5
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は71歳, 女性. 右側胸部痛を訴え近医受診し, 胸部X線写真及びCTにて右横隔膜ヘルニアと診断され入院したが, 胸部痛及び呼吸困難の増強のため翌日当院へ救急搬送され, 緊急手術が行われた. 右旁腹直筋切開にて開腹すると, 横行結腸と大網が肝臓を背側に圧排し前方より横隔膜下面に癒着していた. 癒着は強固で, 経腹的に剥離を進めると胸腔内に嵌入した腹腔内臓器を損傷する恐れがあり, 旁腹直筋切開上縁から第5肋間開胸を追加した. 経胸及び経腹の両面から剥離を行い, 癒着を解除し得, 嵌頓壊死した横行結腸を約30cmにわたり切除した. 胸腔内に逸脱した結腸は腹膜に覆われておらず横隔膜破裂と考えられた. 外傷の既往がなく, 横隔膜破裂の成因として炎症性変化が考えられたが, 3年10カ月前横隔膜弛緩症に行われた横隔膜縫縮部位に破裂孔が一致しており, 縫縮術が横隔膜破裂の誘因と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 横隔膜破裂, 横隔膜弛緩庄, 横隔膜縫縮術, イレウス
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