アブストラクト(46巻6号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 縦隔鏡下ドレナージによって治癒した食道癌術後の右主気管支痩の1例
Subtitle :
Authors : 畑中信良, 大野喜代志, 渋川貴規, 山崎芳郎, 桑田圭司
Authors(kana) :
Organization : 大阪厚生年金病院外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 6
Page : 583-586
Year/Month : 1998 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 気管痩又は気管支痩に伴う膿胸は, 食道癌術後にもみられるが, 有痩性膿胸の治療に有用な大網を利用することができず, その治療に難渋することが多い. 今回われわれは, 食道癌術後に右主気管支及び気管右壁に生じた痩孔に対して, 縦隔鏡下ドレナージを施行後, 気管支鏡併用下に洗浄を繰り返すことによって治癒しえた症例を経験した. 右開胸下食道亜全摘術後9日目に発熱し, 胸部CTで気管右側に膿瘍を認めたので, 術後14日目に縦隔鏡を用いて, 頸部よりドレーンを挿入した.術後17日目の造影と気管支鏡にて右主気管支に10mm大の痩孔を認めた. 黄疸を伴う肝障害を併発しており, 原疾患の予後が不良であることも考慮し, 気管支鏡併用下にドレーンからの生理食塩水による洗浄を繰り返した. 炎症所見は急速に消退し, 約3カ月後に気管支痩は完全に治癒した. 治療困難な気管支痩を伴う膿胸を低侵襲で治癒しえたまれな症例であると考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気管痩, 気管支痩, 食道癌術後, 縦隔鏡
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