アブストラクト(46巻8号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 本態性血小板血症を合併した狭心症に対する左内胸動脈, 右胃大網動脈を用いた冠状動脈バイパス術の1例
Subtitle :
Authors : 大音俊明*, 椎原秀茂, 宮内好正, 中島伸之*
Authors(kana) :
Organization : 深谷赤十字病院心臓血管外科, *千葉大学医学部第1外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 8
Page : 767-771
Year/Month : 1998 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 本態性血小板血症は慢性骨髄増殖性疾患に分類される疾患で, 血小板の増多と機能障害により血栓形成傾向と易出血傾向の両面を併せ持つ疾患である. 今回われわれは本態性血小板血症を合併した狭心症症例に対し左内胸動脈, 右胃大網動脈2本のグラフトを用いたバイパス術を施行した. 術前はハイドレア(ヒドロキシカルバミド)を用いて血小板数をコントロールし, 出血に関する問題なく手術を終了した. 術後の抗凝固療法にはハイドレアにワーファリンを併用し安定したコントロールが得られていた. 術後の冠状動脈造影ではグラフトの開始が確認され, 退院後の経過も良好であった. しかし術後159日目何ら兆候を認めることなく突然死亡した. 死因としてはバイパスの血栓閉塞による急性心筋梗塞や, 脳血栓症あるいは深部静脈血栓の肺への塞栓など血栓塞栓に関連したものが考えられ, 本症を合併する症例では特に術後の抗凝固療法に慎重な考慮が必要と思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 本態性血小板血症, 虚血性心疾患, 開心術, 冠状動脈バイパス術
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