アブストラクト(46巻9号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 新臓器移植法と意思表示カード
Subtitle :
Authors : 雨宮浩
Authors(kana) :
Organization : 国立小児病院小児医療研究センター
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 9
Page : 829-832
Year/Month : 1998 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1. はじめに新移植法「臓器の移植に関する法律(法律第104号))1)は, 1998年6月16日に国会で成立し, 1ヵ月後の1998年7月16日に公布され, 1998年10月16日に施行された. それに伴なって, 従来の「角膜と腎臓の移植に関する法律」は廃止された. これによって長年の懸案であった脳死体からの臓器移植である心・肺・肝の移植が可能になった. 心移植法の制定にむけて, 最大の議論となったのは, 臓器移植の是非ではなく, 臓器移植に心要な臓器の提供に関してであったことは, よく知られたことであろう. それは臓器提供者となるものの脳死の問題であった. この脳死についての議論は, 1992年1月22日に臨時脳死及び臓器移植調査会, 通称脳死臨調が公表した「脳死及び臓器移植に関する重要事項について(答申)」2)においても少数意見を本意見の第3章に続けて「第4章「脳死」を「人の死」とすることに賛同しない立場で」として, わざわざ章として編集せざるを得なかったことからも, 脳死にたいするコンセンサスを得ることが如何に困難であったかがわかる. 新しい臓器移植法は, その成立にむけ, 臓器移植の医療上の有効性を議論するよりも, 臓器提供にかかわる提供者の議論が主体であったといえる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 意思表示カード, 新臓器移植法
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