アブストラクト(46巻11号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 古典的グレン手術後のright isomerismを伴うcommon ventricleに対して解剖学的修復術を施行した成人例-グレン吻合のtake downと心室中隔作成術-
Subtitle :
Authors : 吉田昌弘, 八木原俊克, 上村秀樹, 山下克司, 川平洋一, 吉積功
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 11
Page : 1177-1181
Year/Month : 1998 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 幼児期に古典的グレン手術をうけたright isomerismを伴うcommon ventricleの成人に対し, 準備手術を経て解剖学的修復術に到達しえたので報告する. 症例は21歳, 男性. 他施設にて1歳7カ月時に古典的グレン手術が施行されていた. その後順調に経過していたが19歳頃からチアノーゼの増強と易疲労感を認め, 治療目的にて本院受診した. 右肺動脈の低形成とそれに伴う体肺側副血行路の増生から, Fontan手術は適応外と考えた. 解剖学的修復術には左室容積が不足と考えられたため, まず21歳5カ月時にグレン吻合のtake downと両側肺動脈に体肺短絡術を行い, 術後心室の容積増大が得られた. 右上肺野に多数の体肺側副血行路が認められたため, 解剖学的修復術施行後の心室容量負荷の軽減と気道及び食道出血の合併症予防のため右肺胸壁間側副血行路離断術(Peel&Wrap)を行った. その後21歳10カ月時に肺動脈の再建, EPTFEパッチによる心室分割及び牛心膜パッチによる心房分割により解剖学的修復術を行いえた. 成人期を迎えるチアノーゼ性複雑心奇形の患者に対し, Fontan手術困難で且つ部分右心バイパス手術後であっても, 心内構造が適切である場合には, 積極的に準備手術を経て解剖学的修復術に到達することは1つの有用な治療戦略と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 古典的グレン手術, 成人チアノーゼ性心疾患, 心室中隔作成術, common ventricle, right isomerism
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