アブストラクト(46巻11号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 上部消化管X線造影後に発症した特発性食道破裂の1手術例
Subtitle :
Authors : 増田亮, 田中勲, 古畑善章, 井上雅晴, 磯山徹*
Authors(kana) :
Organization : 日本赤十字社医療センター胸部外科, *日本赤十字社医療センター消化器外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 11
Page : 1182-1185
Year/Month : 1998 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 今回われわれは上部消化管X線造影後に発症した特発性食道破裂の1例を経験した. 発症後6時間で単純閉鎖術, 胸腔内ドレナージを施行し, 極めて良好な経過を得た. 症例は48歳, 男性. 午前9時に検診目的に上部消化管X線造影検査を施行, 食道X線造影所見に異常は認められなかった. 検査終了後, 強いおくびの後に右胸痛が出現, 不穏状態となり当院へ紹介となった. 胸部, 腹部X線単純写真でわずかな右気胸を認め, 右横隔膜上にバリウムが貯留し水平面を形成していた. 特発性食道破裂と診断, 発症6時間後, 開胸となった. 横隔膜上10cmの部位に長軸方向に約3cmの穿孔が認められた. 胸腔内に広範にバリウムが散布されていたが洗浄ののち, 穿孔部を2層に単純閉鎖し手術を終了した. 術後経過は良好で縫合不全もなく, 術後3週間で退院した. 上部消化管X線造影後, あるいは右側への穿孔ともにまれな症例と考えられ, 若干の文献的考察を加えて報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 特発性食道破裂, Boerhaave Syndrome, 1期的閉鎖, 直接縫合
このページの一番上へ