アブストラクト(46巻11号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 摘出術後急速に咽頭部再発増大を来した頸部食道海綿状血管腫の1症例
Subtitle :
Authors : 浦上年彦, 近藤薫, 春日井敏夫, 榊原堅式*, 西脇巨記*
Authors(kana) :
Organization : トヨタ記念病院呼吸器外科, *トヨタ記念病院外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 11
Page : 1206-1210
Year/Month : 1998 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 核出術後咽頭部に再発を来した頸部食道海綿状血管腫の1治験例を経験したので報告する. 症例は40歳, 女性. 嚥下困難を主訴とし来院. 精査の結果頸部食道粘膜下に約5×2.5×2.5cmの嚢胞性腫瘍を認め穿刺にて血液が吸引されたため血管腫の診断下襟状切開アプローチにて腫瘍を摘出. 腫瘍は暗赤色で被膜に覆われていたが一部粘膜に癒着していた. 病理組織は海綿状血管腫であった. 初回手術から約1ヵ月後に咽頭粘膜下に4.5×2.5×2.5cmの粘膜下腫瘍出現, 内視鏡下生検にて血管腫の再発であることが判明し頸部から咽頭に至るアプローチにて摘出術を施行した. その後現在まで再発を見ていない. 再発の原因は, 初回手術時食道粘膜との癒着部に腫瘍の一部が遺残していたためと思われた. 良性腫瘍である海綿状血管腫に対しては, 患者のQOLを考慮し低侵襲性の内視鏡手術や硬化療法などが優先される. 未確診例, 癒着例, 境界不明例や出血の危険性が否定できないなどやむをえず外科的摘出術を行う場合は, 粘膜や近接臓器に癒着している症例は癒着部を含め遺残のないように摘出しなければ急速に再発増大することがある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 頚部食道海綿状血管腫, 術後再発
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