アブストラクト(46巻12号:The Japanese Journal Of Thoracic And Cardiovascular Surgery)

Title : 開心術後心膜炎に対する手術後に洞調律に回復したMaze手術後の再発性心房細動
Subtitle :
Authors : 金一, 泉本浩史, 石橋和幸, 鎌田潤也, 川副浩平
Authors(kana) :
Organization : 岩手医科大学第3外科
Journal : The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY
Volume : 46
Number : 12
Page : 1363-1367
Year/Month : 1998 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は66歳, 男性. 僧帽弁閉鎖不全症, 慢性心房細動に対し弁形成術及びMaze III手術の同時手術を施行し, 術後弁逆流は消失し洞調律に回復した. 退院後1カ月頃から咳嗽, 労作時の息切れ, 心電図にて心房細動, 粗動の出現が認められた. 6カ月頃からは呼吸困難が出現してきたため精査を施行したところ胸部CTにて心膜の肥厚を認めた. 心臓カテーテル検査では右室圧波形にてdip&plateauを認め開心術後収縮性心膜炎, 心房細動の再発と診断された. 手術は, 胸骨正中切開にて心膜剥皮術を施行し, その際, 自然に心房細動が洞調律に回復した. 術後の経過は良好で, 心臓カテーテル検査ではdip&plateauの消失を認めた. 本症例が, 術中心房細動から自然に洞調律に復した基礎に, Maze手術の効果があったと考えられた. そのうえで, 心室拡張障害による心房負荷の推移と一致して洞調律と心房細動が反復したことは, Maze手術後と言えども洞調律の維持に安定した血行動態が必要であることを示した興味ある実際例と思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 開心術後収縮性心膜炎, 心房細動, 僧帽弁形成術, Maze手術, 心膜剥皮術
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