Abstract : |
[緒言] 肺結核症に對する人工氣胸療法はその手技の比較的簡單な爲, 化學療法の充分行い得なかつた時代にあつては適應を充分に選擇することなく余りにも廣く實施せられた結果として當然効果の不充分なるものもその中には認められ, 特に肋膜合併症を來した際には呼吸, 循環障碍を將來し不幸なる結果をも引き起こすので, 治療の大勢は化學療法えと移行した感があり, 最近氣胸療法に對する反省がHayes3), Michell9)10), Neumann11), 貝田25), 河盛28), 管野41), 砂原43)等多數の人々によりなされている. 然し他の虚脱療法と同樣種々なる化學療法を行い得なかつた時代に施行されたことを考えると, 之を自由に驅使して行われる時代の直接療法と, その成績を直ちに比較することは不適當であり, 人工氣胸療法により肺結核が治癒に導かれることは明らかであり, 今日にあってもBirath, Michetti, Zorini等の正しい適慮の確立への努力がなされつゝあることは當然であり, 最も恐れられる膿胸の發生も化學療法の施行によりTurunen15)等の報告の如く著明に減少せしめ得られる. |