Abstract : |
[緒論] ストレプトマイシン(以下SMと略)をはじめとする化學療法劑の効果についての病理學的檢索に關しては, 剖檢例ではBaggenstoss1), Wright2), Flory3), Auerbach4), その他5~14)の報告をみるが, 最近における肺切除術の普及にともない, Auerbach15), Denst16)大辻17), 熊谷18), 安平19)などにより, 切除肺についての檢索も行われている. またMedlar20), Beck21)らが乾酪巣内の死菌の問題に注目していらい, この方面の研究も重視されるようになり, 本邦においてもすでに芳賀22), 島田23), その他24~29)の發表がある. 一般に化學療法(以下化療と略)による結核病巣の治癒形式は, 本質的には自然治癒のそれとなんら異るものでないとする説が多いが, イソニコチン酸ヒドラジッド-パラアミノサリチル酸(以下それぞれINAH, PASと略)併用療法の特殊性に關する沼田30)の報告, 浄化性空洞についてのBrouet31), 熊谷32), その他33)34)の報告, あるいは乾酪巣内培養未發育菌の還元に關するHobby5), 小川36)らの報告にみるごとく, この方面には今後の研究にまつべき問題が多く殘されている. |