Abstract : |
[緒言] 氣管内麻醉時に於ける調節呼吸の臨床的應用は, 1934年Guedel及びTreweck24)によつて, ether apneaの名前で行われた記載が最も古く, 1936年Waters57)はこれにControlled respiration調節呼吸の名稱を與えた. 爾來, 諸家によつて種々の檢討が行われているが中でもCrafoord12). Moerch38), Adelman2), Mosgrove40)等は, 夫々respiratorの改良製作を行つて自働的調節呼吸に就いて檢討を加え, 又, Harroun30)及びHa-thaway33)は, 1946年に笑氣麻醉下にクラーレ劑を投與して調節呼吸を行う:方法を提唱した. 本篇では, 第II篇で記述した病態生理學的研究の成績を基礎とし, 我が國に於ける開胸外科の中, 最も臨床的頻度の高い肺織亥外科に於いて, Frenkner-CrafoordのSpiropulsatorを用いて, エーテル維持, クラーレ劑投與法による自働的調節呼吸を應用した臨床成績を記述するとともに, 併せて肺結核外科に於ける應用價値乃至適應等に就いて吟味した. |