アブストラクト(23巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Aorto-coronary bypassに関する実験的検討-術直後の冠動脈血行動態と長期生存犬における左心機能について-
Subtitle :
Authors : 前田肇, 砂田輝武
Authors(kana) :
Organization : 岡山大学医学部第2外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 23
Number : 2
Page : 117-132
Year/Month : 1975 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Aorto-caronary bypassを実験的に作成し, bypassおよびもとの冠動脈の態度を血行動態面から検討し, 1年生存犬を左心機能の面から評価した. 冠動脈よりも太い動静脈片をgraftとして用いたため, 急性実験の場合graft初期流量はもとの冠動脈流量より多く, bypassにより冠動脈中枢側の血流量は低下し, 早晩中枢側の閉塞を生ずる危険性は増加するが, この流量低下はgraft流量の増加で代償される. 動静脈片の比較に関しては, 同じ太さの血管片を使用する場合, 内腔の大きい静脈管の方が血流量が多く有利である. 動静脈片ともにbypass内に逆流は認められず, graft血流波形はもとの冠動脈血流波形に近く, これは1年後のgraft血流についても同様であつた. 上行大動脈から左鎖骨下動脈までの間にaorto-coronary bypassを作成すれば, 血流量に吻合部位による有意差は認められず, その間のいずれの部位でも良好な血流が得られる. 一定のafterloadを加えることによつて生ずる左心のparamaterの変化によつて機能程度をpump actionとして量的に知り得た. graft長期開存例は敗血症による1例を除き, 心機能は良好に保たれ, graftは冠動脈の役割を充分に代償していた. しかしgraft閉塞例でも副血行路が充分に発達していたため, 心機能の低下は認められなかつた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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