Abstract : |
犬を用い無処置群, 血液pH補正群, デキサメサゾン大量投与群の3群に分けて, 常温下で各群に体外循環を2時間行い静脈還流量(上大静脈還流量, 肝静脈還流量, 門脈還流量, 冠静脈還流量, 腎および下肢領域静脈還流量), 静脈圧(肝静脈圧, 門脈圧), 血管抵抗(肝抵抗, 門脈抵抗), 血液ガス分析(actual pH, pO2, pCO2)を測定した. 1群は対照として無処置で体外循環を行つた. acidosisに傾くと腎および下肢領域静脈還流量が減少し, 上大静脈還流量が増加した. 2群は7%重曹水を投与し血液pH補正をおこなつた. acidosisが改善するにつれて腎および下肢領域静脈還流量が増加した. 3群は潅流前にデキサメサゾン大量投与を行つた. 全体に各測定値は安定した状態であつた. つぎに潅流開始2時間で自律神経剤として, noradrenalin, phenoxybenzamine, isoproterenol, propranololを投与し瞬時的変化を測定した. noradrenalin0.1mg/kgの投与で肝静脈還流量, 門脈還流量, 冠静脈還流量, 肝抵抗が増加した. phenoxybenzamine2mg/kgの投与で門脈還流量, 冠静脈還流量, 肝門脈血管抵抗は減少, 腎および下肢領域静脈還流量は増加した. isoproterenol0.02mg/kgの投与で冠静脈還流量は増加した. propranolol0.2mg/kgの投与で肝門脈血管抵抗は減少した. |