Authors : |
庄村東洋*, 宮本覚*, 福田成男*, 渡部智*, 井上寛治*, 中村隆澄*, 平島尚武*, 千種弘章*, 吉栖正之*, 増田浩一** |
Abstract : |
補助循環法は内科的治療に全く反応を示さない重篤な循環不全に対し, 心臓の機能を補助または代行することによつて心臓の負荷を軽減すると同時に, 組織還流を保持して一時的に生命の延長をはかり, この間に循環不全の原因を治療しようとするものである. 一般に本法は心筋硬塞, 開心術後心不全など循環不全の原因が必臓にある患者を対象としているが, 一方代謝不全, 炭酸ガス中毒などが原因で続発的に心不全, 循環不全におちいつた患者に対する治療をも目的としている7)~10). われわれは肺胞低換気に起因するPCO2の上昇と中枢神経症状を伴う肺性脳症の症例で内科的治療に抵抗して循環不全に陥つた症例と, 気腫性肺嚢胞切除を目的とした手術中に突発したmalignant hyperpyrexia症例で著しい高体温と代謝性アチドーシスに随伴して肺水腫をきたし, 心停止に瀕した症例に補助循環を行い, 3年後の現在良好に経過している症例を経験したので報告する. |