アブストラクト(25巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 実験的僧帽弁閉鎖不全および心室内左-右短絡に対する大動脈内バルーンパンピング法の効果
Subtitle :
Authors : 酒井章*,**, 今野草二**
Authors(kana) :
Organization : *東京女子医科大学第1外科学教室, **日本心臓血圧研究所外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 25
Number : 2
Page : 123-133
Year/Month : 1977 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 雑種成犬32頭を用い, 実験的に僧帽弁逆流, 心室内左-右短絡を作成し, 逆流量, 短絡量にIABPがどのような効果を与えるか, 検討した. 電磁流量計を内蔵した管を, 左室-左房間, および, 左室-右室間にバイパスし, 心筋硬塞後に合併する僧帽弁閉鎖不全, 心室中隔穿孔に似せた実験モデルを作成した. この方法により, 逆流量, 短絡量を直接測定することが可能となった. 急性僧帽弁閉鎖不全群では, IABPの作動により, 拡張期大動脈基部平均圧(MADP)は, 11mmHg上昇し, 左室収縮期圧は9%低下し, 心拍出量は6%増加した. 逆流量は13%減少し, 左房平均圧が17%低下した. 心室中隔穿孔群は, IABPの作動により, MADPは10mmHg上昇し, 左室収縮期圧は9%低下し, 心拍出量は3%増加した. 短絡量は18%減少し, 右室収縮期圧は10%低下した. 急性心筋硬塞+僧帽弁閉鎖不全群では, IABP作動により, 左室収縮期圧は12.8%低下し, 心拍出量は4%増加した. 逆流量は, 12.6%減少し, 左房平均圧は28.6%減少した. 逆流量, 短絡量の減少はIABPの左室補助効果, すなわち, 左室駆出抵抗の減少度に依存していることがわかった. 急激に生じた, 僧帽弁閉鎖不全, 心室中隔穿孔に対し, IABPは有効な手段となりうる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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