Title : |
腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全症に対する弁修復術の検討 |
Subtitle : |
|
Authors : |
清水幸宏, 宮本巍, 堀口泰範, 豊坂昭弘, 小澤正澄, 鈴木文也, 大橋博和, 末広茂文, 岡本英三, 山本忠生*, 谷本真穂*, 川島康生**, 大山朝賢**, 松尾裕英*** |
Authors(kana) : |
|
Organization : |
兵庫医科大学第1外科, *兵庫医科大学第1内科, **大阪大学第1外科, ***大阪大学第1内科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
25 |
Number : |
7 |
Page : |
862-879 |
Year/Month : |
1977 / 7 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全症に対する弁修復術は, その適応を正しくすれば良好なる遠隔成績を望める術式である. 本症に対する手術報告例は本邦では17例にすぎず, その術式も弁置換例が14例と大部分を占めている. われわれは腱索断裂を有する僧帽弁閉鎖不全症の5症例に対して弁修復術を行い, うち1例は術中逆流判定により人工弁置換術に移行したが, 残る4例中3例に満足すべき結果を得た. また5例中4例に対し, 本邦では報告のない腱索再建術を含む弁修復術を行った. うち1例は前述の如く逆流を防止し得なかったが, 3例には術後逆流の軽減を見, そのうち2例は術後4年10カ月および3年4カ月の現在全く症状を認めない. 5症例の術前診断として超音波検査(UCG)を施行し, 閉鎖不全の鑑別およびその部位診断に有力なる手技である事を認めた. すなわち, 前尖腱索断裂例では, 拡張期前尖後退速度が全例200mm/sec以上を示し, 後尖腱索断裂例では2例とも後尖の異常運動より本症と診断し得た. これら5症例の経験および文献的考察により, 本症に対する外科的治療として, 弁修復術を第一義的に選択する方針である. その際, 本症の臨床像および超音波を主体とした検査所見による, 術前の鑑別診断と手術時の解剖学的所見の正確なる把握が, 弁修復術の適応判定に不可欠である事を強調したい. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全症, 僧帽弁修復術, 僧帽弁置換術, UCG, 僧帽弁閉鎖不全症の鑑別診断 |