アブストラクト(25巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 内臓錯位を伴わない右胸心の両大血管右室起始症, 肺動脈狭窄の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 森下幹人, 今村洋二, 山本省吾, 石倉義弥
Authors(kana) :
Organization : 済生会宇都宮病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 25
Number : 8
Page : 1062-1066
Year/Month : 1977 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 両大血管右室起始症(DORV)は従来比較的まれな疾患とされたが, 診断技術の進歩により術前診断が可能となり報告例も増加しその手術成績も向上してきている. われわれは内臓錯位を伴わない右胸心で1-loop, L転位, 肺動脈狭窄を伴う本症を経験し欠損孔を閉鎖し, ジャンプグラフトを用いて根治手術に成功したので報告する. 症例 H.M. 8歳. 女児. 主訴: チアノーゼ. 現病歴: 40週正常分娩. 生下時はチアノーゼに気付かなかった. 生後3カ月の健診で心雑音を指摘され, 昭和42年6月当院小児科を受診した. この頃より哺乳時, 啼泣時にチアノーゼを認めた. 昭和44年2歳時に心カテーテル検査, 心血管造影を施行し, 右胸心, 大血管転位, 心房中隔欠損, 心室中隔欠損, 肺動脈狭窄と診断された. とくに発育の遅延は認められなかったが呼吸器感染は比較的多かった. 昭和47年5歳時に2度目の心カテーテル検査, 心血管造影を施行し, 内臓錯位を伴わない右胸心, 1-loop, L転位のDORV, ASD, VSD, PSの診断で体重増加を待って根治手術を行う方針となった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右胸心, 内臓醋位, 大血管転位, 両大血管右室起始症, ラステリー手術
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