アブストラクト(25巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 遠隔期に閾値上昇のためペーシング不全をきたした2症例
Subtitle : 症例
Authors : 横山正義, 遠藤真弘, 関口守衛, 堀原一*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所, *筑波大学臨床医学系外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 25
Number : 9
Page : 1211-1215
Year/Month : 1977 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ペースメーカ植込み手術後1年以上経過して, 急にペーシング不全をきたした2症例を経験した. 症例1は手術後14か月でペーシング不全を生じた. 再手術時, 心筋刺激閾値が上昇していたため, 電極先端の位置を変更し, 以後, 経過良好である. 症例2は植込み後12カ月でペーシング不全をたした. 再手術により双極電極のプラス・マイナスを交換し, 良好なペーシングを得た. この2症例とも, 電極先端は心内膜にしっかりと固定されていた. またペーシング不全時には, 過常期興奮を認め, センシングは正常であった. 胸部レ線像でのペースメーカ電極の位置は, ほとんど移動していなかった. 閾値上昇によるペーシング不全は一般には植込み後1か月以内の急性期に生じるが, 本2症例のように, 手術後1年以上を経過して生じることは稀である. かかる場合はペースメーカ回路故障, 電池の早期消耗, 電極損傷などと鑑別を要する. 閾値上昇の原因としては, 電極周囲の線維性増殖がもっとも考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 閾値上昇, 過常期興奮, ペーシング不全, 心内膜心電図
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