Abstract : |
開心術後早期の心機能の評価として年長児や成人で色素希釈法による心拍出量の測定を応用した報告は多いが, 乳幼児にそのまま利用することは吸引血液量が多大となり危険であると考えられる. 著者らは内径2mmのビニールチューブを用い約20cmの長さとし, 動脈留置カテーテルから, Cuvetteまでの容量を1.2~1.4mlに縮小しえている. 血液の吸引速度は16~17ml/secを原則として用いており, 心拍出量計測に要する血液量は大旨10mlとなっている. したがって安定した成績が得られ, 本法による合併症はなく安全に施行しえていることから開心術後早期の乳幼児における心機能の評価において, 色素希釈法による心拍出量の測定は有用であると考える. また, これにより得られる上昇時間, 消失時間さらに心拍出量, 左室仕事量, 左室1回仕事量や全身末梢血管抵抗の指標は, 循環動態を理解するうえで有用であるとの結果を6歳以下の9症例を対象として得られた.開心術後早期の心機能の評価として年長児や成人で色素希釈法による心拍出量の測定を応用した報告は多いが, 乳幼児にそのまま利用することは吸引血液量が多大となり危険であると考えられる. 著者らは内径2mmのビニールチューブを用い約20cmの長さとし, 動脈留置カテーテルから, Cuvetteまでの容量を1.2~1.4mlに縮小しえている. 血液の吸引速度は16~17ml/secを原則として用いており, 心拍出量計測に要する血液量は大旨10mlとなっている. したがって安定した成績が得られ, 本法による合併症はなく安全に施行しえていることから開心術後早期の乳幼児における心機能の評価において, 色素希釈法による心拍出量の測定は有用であると考える. また, これにより得られる上昇時間, 消失時間さらに心拍出量, 左室仕事量, 左室1回仕事量や全身末梢血管抵抗の指標は, 循環動態を理解するうえで有用であるとの結果を6歳以下の9症例を対象として得られた. |