Title : |
過剰気管支を伴った肺動脈左房交通症の1例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
川田志明*, 小出司郎策*, 山崎史朗*, 正津晃*, 加藤俊一**, 渡部恒也***, 松山正也**, 秦順一**** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
*東海大学医学部外科(胸部), **東海大学医学部小児科, ***東海大学医学部放射線科, ****東海大学医学部病理 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
25 |
Number : |
11 |
Page : |
1497-1503 |
Year/Month : |
1977 / 11 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
チアノーゼを主徴とした8歳男児の右肺動脈・左房交通症に対し, 異常交通枝の結紮を行ない順調に経過している1例を報告した. 肺動静脈瘻と紛らわしく, 適確な外科治療の上からも本症のごとき異常交通症に対する認識が大切と思われる. 文献上, 16例の報告しかみられず稀れなものとされているが, すべて右側であり嚢状拡張部を伴うことは興味深い. しばしば肺葉・気管支の異常もみられることから, これらをもとにした発生由来が説明されてきたが, 自験例の異常交通枝内壁から微細な肺構造が証明されたことから, さらに本症の発生機序に考察を加えた. 「はじめに」肺動脈左房間の直接交通症は本邦からの5例を含めて17例の報告しか見当らず, 非常に稀な先天性疾患と思われる1)~17). 臨床症状は一般の肺動静脈瘻に類似しているが, 中枢側の肺動脈から出た異常動脈が動脈瘤様に拡張した嚢状部を経て左房に開口しており, より大量の左右短絡を示す. 左肺動脈からの報告はなく, 全て右側にのみ認められており, 脳合併症などのため手術が急がれるが, 適切な外科治療の上からも本疾患に対する認識が大切である. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
肺動脈左房交通症, 過剰気管支, 副心臓支, 肺動静脈瘻 |