Abstract : |
「はじめに」近年, 臨床医学の急速な広範囲化と進歩により医師に対する卒業後教育が真剣に考えられるようになってきている. 日本胸部外科学会でも, 昭和50年以来春秋と年2回卒後教育委員会が中心になって卒後セミナーを行ってきており, それとともに若い医師の方々から自己の所属する施設で研修のできない胸部外科領域についてたとえば胸部Thoracic(胸壁, 縦隔, 肺, 食道など), 心臓Cardio(冠動脈疾患, 後天性, 先天性心疾患, 新生乳児)血管Vascularなどの胸部外科の一部門についての国内研修や見学をする希望が出されるに至っている. ところでこのような試みはすでに, たとえば国立がんセンターを中心とした厚生省関係の病院間のまたは希望する医師に対する研修制度が試みられている以外は自分が勤務, 研修している施設以外での病院または教室で見学, 研修をしようとすることは必ずしも容易ではないのが現状のようである. そこで医学での比較的新しい分野である胸部外科がはたして現在わが国でどんなふうに行われているかということを調べた上で, これらの要望にどう応えるべきか今後の方針を検討すべく表の如き問い合わせを日本胸部外科学会の評議員の方々に送り集計を行ってみた. |