アブストラクト(25巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術に対するステロイドの投与
Subtitle :
Authors : 保浦賢三, 西谷泰, 谷本欣徳, 橋本明政, 林久恵, 福内明子*, 白井希明*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所外科, *東京女子医科大学日本心臓血圧研究所麻酔科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 25
Number : 12
Page : 1587-1591
Year/Month : 1977 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術に伴うlow output syndromeを防止する目的で各種のステロイド剤の投与が行われるようになって久しい. 従来のステロイドの有効性を報告する文献の多くは, 手術手技により影響されるparameterを用いてその有効性を論じてきた傾向があった. また, ステロイド投与の対象例の多くは肺動脈弁狭窄の解除の程度が術後の血行動態に著しく影響するフアロー四徴症の症例であった. 著者らは, 手術手技や手術操作の影響の少ないと考えられる弁膜症の手術例を主としてとり上げ, glucocorticoid作用の優勢なbetamethasoneを投与して検討したので報告する. betamethasoneは強力な消炎作用と細胞保護作用を併せもつとされているが, 著者らの検討では術後急性期ともいえるIntensive Care Unit入室後12時間以内に示す中枢温はbetamethasone投与群では明らかにコントロール群に比して熱発が少なく, かつ中枢温-末梢部温較差も小さかった. 尿量の面では, betamethasone投与群はコントロール群に比して体外循環中および体外循環離脱後12時間の統計もより多量の排泄が認められた. 本論文では, ステロイドの開心術への投与の効果および投与すべき対象例について述べた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : betamethasone, 深部温度計(中枢温と末梢温), 利尿作用
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