アブストラクト(25巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術後急性腎不全の発症に関する定量的解析 第1報 術前および術中の各種項目による開心術後急性腎不全の発症予測
Subtitle :
Authors : 田中一彦, 吉矢生人, 島田康弘, 山崎登自, 曲直部寿夫, 川島康生*, 武田裕**, 井上通敏**, 坂口強***
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部集中治療部, *大阪大学医学部第1外科, **大阪大学医学部第1内科, ***兵庫医科大学泌尿器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 25
Number : 12
Page : 1602-1609
Year/Month : 1977 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術後急性腎不全に関する報告は数多くみられ, その成因および予測についても, 種々検討されてきている. しかし, いずれの報告においても, その解析は1変量づつにとどまっており, 多変量についての解析は, いまだ試みられていない. そこで開心術後急性腎不全を, 術前および術中の各種項目より予測する1つの試みとして, 多変量解析法を導入, 開心術後急性腎不全の発症を予測する重回帰式を作成した. 1974年10月より1976年3月まで, 大阪大学医学部附属病院集中治療部に入室した, 15歳以上の開心術後症例75名のうち, 資料のよくそろった28名を対象とした. 最初, 説明変数として, 術前および術中の各種項目67項目を取り上げ, 相関分析により説明変数を12項目に絞つた, 次に変数増加法を用い, 9項目の説明変数にて, 開心術後急性腎不全の発症を予測する重回帰式を作成した. 開心術後急性腎不全の発症予測式 Y=+0.0405×尿中K値(mEq/l) +0.0154×プロトロンビン時間(%) +0.3649×Cosm値(ml/min/m2) +0.0012×麻酔時間(min) +0.0906×血中Hb値(g/dl) -0.6193×血漿Cr値(mg/dl) -0.1162×尿蛋白(定性) -0.0363×人工心肺中直腸温(℃) -0.0061×年齢(yr) -2.8426 (Y=1が開心術後1週間以内に急性腎不全に陥り, Y=0が急性腎不全に陥らないことを表している.)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性腎不全, 開心術後急性腎不全, 発症予測, 多変量解析, 重回帰分析
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