アブストラクト(25巻12号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 正常冠動脈造影像を示した心筋硬塞後左心室瘤-2手術例と臨床的考察- |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 藤原巍, 山根正隆, 高原郁夫, 佐藤方紀, 衣笠陽一, 勝村達喜 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 川崎医科大学胸部心臓血管外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 25 |
Number : | 12 |
Page : | 1643-1649 |
Year/Month : | 1977 / 12 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 冠動脈造影で正常冠動脈を示し, 左室映画造影で左室瘤を認めた心筋硬塞の2症例を経験した. 両例ともにうっ血性心不全はみられないが, 1例は頻回の末梢動脈塞栓症, 他の1例は運動負荷後の心室性期外収縮が認められるので左室瘤切除術を行った. これらの症例の心筋硬塞発症は34歳, 41歳と若年時で, 狭心症の既往がなく, 冠動脈硬化症のrisk factorを有しなかった. このような症例では心筋硬塞の原因として冠動脈硬化以外の要因を考えねばならない. 一般に心筋硬塞後の左室瘤の形成は高度の冠動脈病変による広範囲な硬塞例に多いとされており, 正常冠動脈像を示す心筋硬塞例は比較的まれであり, それによる左室瘤形成例はさらに極めてまれなものである. 「緒言」 冠動脈造影, 左室造影法の臨床応用により, これまで剖検心での所見から逆に生前の病態を推測するにすぎなかった心筋硬塞の病態生理があきらかになり, とくに狭心症や心筋硬塞における冠動脈病変や左室瘤を含めた左室壁の不共同収縮の解明は本症の内科的治療のみならず外科的治療に大きな進歩をもたらせた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 心筋硬塞の冠動脈像, 心筋硬塞後左室瘤, 左室瘤切除術 |