Abstract : |
1965年より1978年までの東京大学胸部外科教室におけるカテーテル電極植込例, 96症例, 110本を対象に, カテーテル電極の耐久性, 信頼性について検討した. 平均移植期間は38ヵ月であり, 断線(conduction breaks)が7例(6.3%)に, 被覆断裂(insulation breaks)が2例(1.8%)にみられた. 110例中, 単極電極は57例, 双極電極は53例であり, 平均移植期間はそれぞれ32ヵ月と44ヵ月であったが, 電極破損の発生率は, 前者が10.5%, 後者が5.7%であり, 年間発生率は3.9%と1.6%であった. これらの症例を検討して以下の結果を得た. 1)普段元気に活動している壮年症例に多発していた. 2)断線は有意に単極電極に多発していた. 3)断線部位は前胸部あるいは静脈入口部にみられた. 4)不完全断線のときは, 患者の愁訴が唯一の徴候のことがあるので, 心電図による慎重な観察が必要である. 5)双極電極で, spike vectorの変化がみられたときはシリコン被覆の断裂を疑うべきである. 6)現在のカテーテルリードは充分な耐久性があるとは云い難く, 改良が必要である. |