Title : |
心室瘤を合併した冠動脈瘤の1治験例-手術々式と病因に関する考察- |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
稗方富蔵, 岡田忠彦, 川田忠典, 長田博昭, 野口輝彦, 森本和大*, 直江史郎** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
聖マリアンナ医科大学第3外科, *国療中野病院循環器外科, **東邦大学大橋病院病理 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
28 |
Number : |
8 |
Page : |
1304-1309 |
Year/Month : |
1980 / 8 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
症例は38歳の女性であるが, 3歳の時に川崎病を示唆する既往歴があり, 37歳の時に初めて心電図をとり, 陳旧性心筋梗塞と判明し, その後の検査により冠動脈瘤が発見され, 同時に心室瘤もみとめられた. 冠動脈瘤は左冠動脈が前下行枝と回旋枝に分岐する位置にあり, これを切除し, 左冠動脈と回旋枝の間に自家大伏在静脈を移植し, さらに大動脈から前下行枝へバイパスを行った. 同時に左室心尖部の心室瘤の切除も行った. 冠動脈瘤の原因としては動脈硬化が圧倒的に多いが, 近年とくに本邦では小児において川崎病による冠動脈瘤の報告が増加しており, 本症例は成人例であるが, 病歴から小児期の川崎病が原因として考えやすい. 川崎病の自然歴はいまだ明らかでないが, 成人の冠動脈瘤で小児期の川崎病が原因とすれば, 本症例は川崎病の自然歴を考えるうえでも興味ある症例と考えられる. 緒言 冠動脈瘤の原因は世界的にみると, 約半数以上は動脈硬化であり, ついで先天性が多い. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
冠動脈瘤, 心室瘤, 大動脈冠動脈バイパス術, 左室瘤切除術, 川崎病 |