Title : |
高度閉塞性肺血管病変を伴った高令者(31才)総動脈幹症に対する根治手術の経験 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
岡良積, 藤田毅, 内藤泰顕, 小原邦義, 康義治, 曲直部寿夫, 中島克彦*, 榊原博*, 由谷親夫** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
国立循環器病センター心臓血管外科, *国立循環器病センター心臓内科, **国立循環器病センター病理 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
28 |
Number : |
8 |
Page : |
1322-1329 |
Year/Month : |
1980 / 8 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
総動脈幹症はそのほとんどが乳幼児期に死亡する極めて予後不良の疾患である. 本症は早期に肺血管の閉塞性病変を来しやすく, これまで30歳をこえて生存した報告例は8例しかない. また30歳以上の根治手術成功例はいまだその報告はみあたらない. 最近われわれは肺対体血管抵抗比0.80, 肺血管抵抗値29.9units m2と高値で, 従来根治手術適応外とされてきた, 高度の閉塞性肺血管病変を伴った31歳男性の総動脈幹症(Collett&Edwards分類I型, Van Praagh分類A1型)に対し, Rastelli手術を施行し成功した. 手術適応の有無の判定には, 酸素吸入試験による肺血管抵抗の変動および術中施行した電磁流量計による血行動態の検索が有用であった. 肺動脈の再建には直径22mmのM.O.Hancock弁付conduitを用いた. 術後5ヵ月目に行なった心臓カテーテル検査では, 肺動脈圧は85/42(平均59)mmHgとまだ高いが, 右室/左室収縮期圧比は0.66に低下し, 肺血管抵抗値は14.8units m2に減少していた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
総動脈幹症, Rastelli手術, 高令者, 閉塞性肺血管病変 |