Abstract : |
膜型人工肺, 血液フィルター, 熱交換器, 圧規定回路, ウイドケッセル, 除泡メッシュと血液フィルターを完備した犬摘出心臓用の潅流回路と連続的自動血行力学データー処理システムを組み合せた新しい摘出心潅流機能測定装置を開発した. New Modified Krebs Solution(KAWAKAMI)による心筋保護で心臓を摘出した. 本装置による機能測定時の潅流条件は次のように一定とした. すなわちpreload 10cmH20, afterload 80mmHg, 潅流液温度37℃, PO2 300~400mmHg, PCO2 35~45mmHg, pH 7.5~7.6である. Langendorff潅流で心臓を蘇生・拍動せしめたのち15分間放置し心機能の充分な回復を待つ. ついで回路をwork load状態に変更しworking functionとした. 心電図, 左室圧, 同拡張終期圧, 同MAX dp/dt, 大動脈圧, 大動脈流量, 冠潅流量をデーター・レコーダーに収録保存すると同時にon lineで大動脈平均圧, 心拍出量(大動脈流量, 冠潅流量)をATAC-450に入力し左室仕事量を連続的に自動算出し記録した. 回路充填液としてフロロカーボン. 血液の混合液を使用した実験例では1,000gM/分/100g心重量前後の良好な心機能を示唆する左室仕事量が得られ, しかもその安定維持時間も180分以上と充分長時間であった. このことから, 適当な潅流液の使用で, 著者らの開発した本装置は犬摘出心臓を利用した研究に使用でき, 将来の心機能に関する基礎的検討で極めて有用なものになると結論された. |