Title : |
肺動脈による気管.気管支圧迫症状を呈した乳児期重症心室中隔欠損症に対する肺動脈縫縮吊り上げ術 |
Subtitle : |
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Authors : |
山口眞弘, 西山範正, 細川裕平, 橘秀夫, 堀越一彦, 鳥山皓, 三戸寿*, 鄭源紀*, 大橋秀隆**, 小川恭一** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
兵庫県立こども病院胸部外科, *兵庫県立こども病院循環器科, **神戸大学医学部第2外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
29 |
Number : |
1 |
Page : |
86-97 |
Year/Month : |
1981 / 1 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
高度の慢性呼吸不全を呈し, 術前の諸検査で肺動脈による強い気管圧迫と左気管支閉塞が証明された乳児期心室中隔欠損症4例を経験した. 1例では心室中隔欠損閉鎖術のみを, 他の3例では心室中隔欠損閉鎖と同時に肺動脈の縫縮吊り上げ術を施行し, 術後気管支鏡, 心血管造影などで経過を観察し, 興味ある知見を得た. 症例1(5ヵ月, 4.3kg)では, 心室中隔欠損根治術後, 左肺無気肺を繰返し6~8cm水柱のCPAPによる呼吸管理で術後10日目に気管内チューブを抜去できたが, その後も強い喘鳴, 無呼吸発作, 心停止などを繰返した. 術後1ヵ月目に行った気管支鏡では, 左気管支に強い狭窄変形の残存がみられたが, 術後3ヵ月目からは順調に経過し, 6ヵ月目では左主気管支内腔が良く開いていることが確かめられた. 本症例のごとく扁平化し脆弱となった気管支壁がほぼ正常に復するには, 圧迫解除後少なくとも2~3ヵ月を要するものと考えられ, この経験から症例2~4(5ヵ月~1歳, 4.5~11kg)では, 心室中隔欠損閉鎖と同時に, 同一の手術創から胸膜外で肺動脈本幹および左主肺動脈をほぼ正常の太さにまで縫縮し, これを左前上方に吊り上げ胸壁に固定する術式を併せ行った. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
乳児期重症心室中隔欠損症, 肺動脈縫縮吊り上げ術, 肺動脈による気管・気管支圧迫, 慢性呼吸不全, 気管支鏡検査 |