アブストラクト(29巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺動脈の発育不全を伴う肺動脈閉鎖症に対する体外循環下右室流出路形成術
Subtitle :
Authors : 小川恭一, 久野克也, 志田力, 後藤武, 松田昌三, 山本信一郎, 小沢修一, 中村和夫
Authors(kana) :
Organization : 神戸大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 1
Page : 98-102
Year/Month : 1981 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 5歳男児の肺動脈の発育の不良な心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症に対して, 心室中隔欠損を放置したまま体外循環下に代用血管および自家心膜による弁付パッチを用いて右室流出路形成術を施行し好結果が得られた. この症例では過去2回にわたり施行したBlalock-Taussig手術後の肺動脈の発育は思わしくなかったが, 本手術後の発育は良好で, 近い将来根治手術が可能になると思われる. 本手術は肺動脈の発育の不良な肺動脈閉鎖症を根治手術にまでもっていくのに有用な方法と思われるので多少の考案をくわえ報告した. 肺動脈の発育の悪い肺動脈閉鎖症は乳児期早期より重篤な症状を呈することが多く, われわれは最近までかかる症例に対し, 体・肺動脈吻合術を第1選択としてきたが, 術後の肺動脈の発育はおもわしくなく, 16例中1例のみが根治手術の適応とできるにすぎない. したがって今後は乳児期の本症にこの手術をいかにとり入れるかを検討することが大切と思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 体外循環下右室流出路形成術, 肺動脈発育不全, 心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症, 姑息的手術
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