Title : |
左房粘液腫10例の手術経験, とくに手術法の検討 |
Subtitle : |
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Authors : |
清水健, 弥政洋太郎, 阿部稔雄, 村瀬允也, 田中稔, 竹内栄二, 堀田明男, 中島伸夫*, 福田巌**, 平松隼夫** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
名古屋大学医学部第1外科, *名古屋大学検査部病理室, **名古屋第1赤十字病院外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
29 |
Number : |
1 |
Page : |
109-117 |
Year/Month : |
1981 / 1 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
われわれは1968年以来, 現在までに10例の左房粘液腫の剔出術を経験した. このうち男性は2例, 女性は8例であった. 腫瘍附着部は9例が心房中隔卵円窩またはその周辺であった. 1例のみ左房左後側壁に存在した. これらの症例中, 第1例を術中腫瘍片による脳塞栓で失い, 第6例を腫瘍による僧帽弁閉鎖不全に対する弁輪縫縮術後の左房後壁血腫により失った. これらの経験から左房粘液腫剔出術に関するわれわれの反省と対策を文献的考察を加えて報告した. 1. 左房切開は良好な視野が得られる方法がとられるべきで, 左房右側縦切開と右房中隔縦切開の併用, あるいは左房右房中隔横切開(Dubost切開)が望ましい. 2. 腫瘍剔出に際しては, われわれの考案した腫瘍剔出用バスケット型メッシュに腫瘍を受けて剔出すると腫瘍片の流出が防げる. 3. 腫瘍の附着部切除範囲は, 腫瘍発生部位が卵円窩の場合はこれを全切除し, 筋性中隔の場合は腫瘍が筋層まで浸潤していないことから, 内膜あるいはこれに接する筋層の一部の切除にとどめることで十分と思われる. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
左房粘液腫, 腫瘍剔出用メッシュ, 左房切開法 |