Abstract : |
A-C bypass手術13例, 僧帽弁膜症手術6例を対象に体外循環離脱直後からの血行動態の時間的推移を調べ, 同時に測定した内因性カテコラミンおよびレニン活性の時間的推移との関連についても言及した. 体外循環離脱直後は低体血管抵抗, 高心拍出状態であったが, 3時間目には高体血管抵抗, 低心拍出状態に陥り, 6時間目から9時間目にいたり体血管抵抗の低下と心拍出量の増加がみられた. これらの一連の傾向は体外循環離脱後からの時間的要因に左右されていた. A-C bypass例で体外循環離脱後3時間目に高度の高血圧を呈した体血管抵抗40単位以上の6例(I群)ではノルアドレナリン, レニン分泌の低下がみられ, A-C bypass例で体血管抵抗40単位以下の中等度高血圧症例の7例(II群)ではノルアドレナリン, レニン分泌亢進がみられた. III群の僧帽弁膜手術例ではノルアドレナリンの分泌は低下していたが, レニン活性の亢進がみられた. アドレナリン分泌は3群とも差はなく同様の時間経過を示した. 高血圧症の発生あるいは体血管抵抗の上昇とカテコラミン, レニン活性との関連性は見い出せなかった. |