Title : |
横隔膜弛緩症症例の検討 |
Subtitle : |
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Authors : |
中原数也, 前田昌純, 門田康正, 中岡和哉, 篭谷勝己, 谷岡恒雄, 大野喜代志, 橋本純平, 藤井義敬, 正岡昭*, 川島康生 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
大阪大学医学部第1外科, *名古屋市立大学第2外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
29 |
Number : |
6 |
Page : |
1005-1011 |
Year/Month : |
1981 / 6 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
11例の横隔膜弛緩症のうち5例に対して従来行われてきた重層縫合法や切除縫合法を施行した. 3例にはわれわれが考案した弛緩横隔膜穹窿部を引き下げて後胸壁に固定する開腹下手術(pulling down法)を行った. 他の2例には開胸下に弛緩横隔膜を重層縫合するとともにRivesの方法に従って濶背筋を用いて補強した. 1例には手術を行わなかった. 手術後6ヵ月以上, 最長17年経過した9例について深吸気位, 深呼気位で撮った2枚の胸部レ線フィルムから横隔膜の下降度と横隔膜の運動を検討した. 重層法の2例では横隔膜の下降が不十分かまたは運動が不良であった. 切除縫合の1例は下降は良好であったが, 他の1例では不良であった. pulling down法を施行した3例中2例は横隔膜の下降, 運動ともに良好であったが, 他の1例では満足すべき結果でなかった. Rives法を行った2例では満足すべき結果を得た. 横隔膜弛緩症の手術目的は挙上した横隔膜を確実, 強固に, しかも低位に固定することであることを考えると, 従来行われてきた重層縫合法や切除縫合法よりもpulling down法やRivesはより目的になかった方法と思われた. pulling down法を行った2例と, Rives法の1例について手術前後の総合および局所肺機能検査を施行したところ, 手術によって健側, 患側ともに肺気量の増加を示した. とくに機能的残気量は有意の増加がみられた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
横隔膜弛緩症, pulling down法, Rives法 |