アブストラクト(29巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 実験的大動脈弁閉鎖不全の循環動態よりみた僧帽弁機能の研究
Subtitle :
Authors : 山田充, 高橋雅俊
Authors(kana) :
Organization : 東京医科大学外科学第2講座
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 6
Page : 1019-1028
Year/Month : 1981 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 雑種成犬による大動脈弁閉鎖不全(AR)作成実験で, 軽症AR groupと重症AR groupの2群について, ARの循環動態が僧帽弁機能に及ぼす影響についてcontrol群と比較して以下の結論を得た. 1)ARの軽症群, 重症群ともにUCG上でAMLのflutteringが認められた. 2)軽症ARの場合は, 冠動脈血流量の減少はみられず, 健常な僧帽弁機能によって左心機能は代償されている. 3)軽症ARの場合, UCGおよび左房圧波型の所見で, 僧帽弁がMS patternをとることが観察された. これは, 左室の拡大はあるが, 僧帽弁輪の拡大が生じない時期にみられるもので, 左室容量および圧負荷に対して代償期にあることを示唆している. 4)軽症ARの急性実験において, 僧帽弁が, UCGでMS patternをとる原因については, 急激に拡大する左室に対して, 僧帽弁輪の拡大や. 腱索の延長が, 早期にはみられないためと考えられる. 5)重症ARの場合, 僧帽弁がUCGでMR patternをとると, 左室の容量および圧負荷が, 直接左房へ影響し, 肺循環や体循環に対する悪影響が増加し, 冠動脈血流も減少してくる. 6)重症ARの場合, 僧帽弁がUCGでMR patternをとる時点では, 左心機能の急激な低下が認められる. 7)重症ARの急性実験において, 僧帽弁が, UCGでMR patternをとる原因については, 急激に拡大する左室につれて, 僧帽弁輪の拡大や, 腱索の延長が早期に起こるためで, 非代償期へのclinical pointと考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : AR, UCG, AML, MS pattern, MR pattern
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