アブストラクト(29巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 両側乳糜胸および乳糜腹を合併した肺原発印環細胞癌
Subtitle :
Authors : 田中文隆, 福間誠吾, 沢田勤也, 関保雄, 石田逸郎, 桑原竹一郎*
Authors(kana) :
Organization : 千葉県がんセンター呼吸器科, *千葉県がんセンター研究所病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 6
Page : 1064-1069
Year/Month : 1981 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 両側乳糜胸と乳糜腹を合併した肺原発印環細胞癌の症例を報告した. まず両側乳糜胸で発症したが, 当科入院時には右側にのみ乳糜性胸水が認められ, 気管支鏡検査, その他で原発性肺癌と診断した. 抗癌剤の投与とともに乳糜胸に対してMCT(medium-chain trigyceride)療法を行ったところ, 1日量500mlの乳糜が100mlに減少し, 一応の効果が認められたが, 本例は肺癌の胸管周囲リンパ節転移による胸管の破壊に基づくものと考えられ, 保存的治療の限界を感じ, 右開胸下に横隔膜直上で胸管結紮術を行った. 術後, 乳糜の漏出を認めず, 胸管結紮術は成功したが, 3ヵ月後に左乳糜胸を, 続いて乳糜腹を起こし, 1日量約1,500mlの乳糜が排出された. いずれの乳糜性胸水, および腹水からも印環型悪性細胞が証明された. 乳糜胸は乳糜が胸管またはその分枝から漏出して体腔内に貯溜した病態で, 乳糜腹についても同様である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 両側乳糜胸, 乳糜腹, 胸管結紮術, 肺原発印環細胞癌
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