アブストラクト(29巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 先天性溶血性貧血患者(遺伝性球状赤血球症)に対する開心術について
Subtitle :
Authors : 武田佳秀, 李武志, 成田洋, 伊藤実, 鈴木克昌, 鶴賀信篤, 岡田英也, 由良二郎, 樋上昌男*, 御供泰治*
Authors(kana) :
Organization : 名古屋市立大学医学部第1外科, *名古屋市立大学医学部第2内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 6
Page : 1092-1095
Year/Month : 1981 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 血液疾患を有する患者に対し開心術が施行されることは稀である. われわれは先天性溶血性貧血の代表的な疾患である遺伝性球状赤血球症の患者に対して摘脾術を施行し, 溶血の改善をみて2年後に体外循環下に心房中隔欠損閉鎖術を施行し良好な結果を得た. 溶血の基礎疾患を持つ患者に体外循環を施行する場合, 急性腎不全, LOS等の合併症を引き起こす可能性が大きいと考えられるが, 人精製ハプトグロビンの使用により防止可能と考えられた. 心臓血管外科領域では, 体外循環に伴う溶血は避けられないものと考えられている. この対策として膜型人工肺や人精製ハプトグロビンの使用などが考慮されているが, 血液吸引による血球破壊は必至である. したがって溶血性貧血を有する患者に開心術を施行するとなれば, 制御不能の出血や溶血性腎障害などの合併症が懸念されriskは高いと思われる. 今回われわれは, 先天性溶血性貧血の代表的な疾患である遺伝性球状赤血球症(以下HS)の患者に対して摘脾術を施行し, その2年後に開心による心房中隔欠損閉鎖術を行い満足する結果を得たので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 遺伝性球状赤血球症, 摘脾術, 心房中隔欠損症, ハプトグロビン
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