Title : |
弁置換患者の抗凝血療法─とくに血液凝固因子および血小板凝集能よりみた治療指針─ |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
松本博志, 高山鉄郎, 松永仁, 古田直樹, 吉竹毅, 三枝正裕 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
東京大学医学部胸部外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
29 |
Number : |
7 |
Page : |
1164-1171 |
Year/Month : |
1981 / 7 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
人工弁置換術患者の抗凝血療法の指針を明確にするためにStarr-Edwards弁置換術後患者7名, Bjork-Shiley弁置換術後患者13名, 対照として抗凝血療法を行っていないHancock弁置換術患者5名を対象に血液凝固因子活性, 血小板凝集能を測定し比較検討し次の結果をえた. 1)血液凝固因子活性の面からはVitamin K依存因子である第X, IX, VII, II因子の著明な活性抑制と, 第VIII因子の著明な活性増強を認めた. 2)外来的に測定したProthrombin時間と外因系凝固因子とは測定時期によって別々の相関性を有していた. 3)血小板凝集能はWarfarin単独投与群とWarfarin投与にDipyridamole 300mgを併用した群とでADP凝集, Collagen凝集, Epinephrine凝集のいずれにおいても有意な差異は認められなかった. Dipyridamoleを併用した群の血小板凝集能ではCollagen凝集とEpinephrine凝集でATP放出からみた二次凝集抑制をみとめたもので, 凝集能も低値を示しその機能は抑制されていた. 以上の結果から人工弁置換術後患者の抗凝血療法においては凝固因子の面からは内因系凝固因子活性の測定を加えることが望ましく, 血小板機能抑制の面からは二次凝集誘発の有無を確認した粘着. 凝集抑制剤の使用が必要である. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
Warfarin, Dipyridamole, Vitamin K依存凝固因子, 第VIII因子, 二次凝集 |