アブストラクト(29巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道憩室の穿孔による食道胸膜瘻の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 松森正之, 向原伸彦, 太田稔明, 小川恭一
Authors(kana) :
Organization : 神戸大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 7
Page : 1214-1218
Year/Month : 1981 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道憩室の自然破裂によると思われる食道胸膜瘻に対し手術を施行し治癒せしめた. 症例は43歳男性で心窩部痛にて発症したのち, 次第に左胸部痛, 呼吸困難が出現し近医にて胸腔穿刺により左膿胸の診断を受けた. 持続吸引を続けていたが下熱傾向がないため当科を紹介された. 食道透視およびファバースコープで食道憩室の穿孔による食道肋膜瘻と診断し発症後77日目に食道瘻閉鎖術と心肺剥皮術を施行した. 術後経過は軽度の肝機能障害を来した以外は良好で術後2ヵ月目に退院し, 元気に社会復帰している. 食道憩室の胸腔内への自然破裂に対し手術を行い治癒せしめた報告は欧米の文献を含めて本例が第2例目と思われるので文献的考察を加えて報告する. 食道憩室は比較的稀な疾患であり, そのほとんどが無症状といわれている. われわれは最近, 当初, 特発性食道破裂と思われていたが, 術前後の食道透視およびファイバースコープの所見から食道憩室の破裂による食道胸膜瘻と判断された症例に対し一期的に瘻閉鎮, 肺剥皮術を行い治癒せしめたので, 2, 3の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道憩室(esophageal diverticulum), 自然破裂(spontaneous rupture), 食道胸膜瘻(esophagopleural fistula)
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